ロマーシュカ・フィルハーモニー 結成に寄せて

こんにちは!

新型コロナウイルスの影響が心配される今日この頃ですが、これからはこのブログを活用しながら当団体の魅力をお伝えしていきます!


当団団長兼音楽監督であり、東京音楽大学大学院にてソ連芸術を研究した 泉 翔士 が、今回から数回にわたってショスタコーヴィチ作品の魅力について語ります!!


【はじめに】

皆様、こんにちは。ロマーシュカ・フィルハーモニー団長・音楽監督を務めさせて頂きます。指揮者の泉 翔士と申します。

このオーケストラはショスタコーヴィチの作曲した「戦争三部作」を取り上げていくというコンセプトのもと結成されました。

東京音楽大学の学生だった頃にショスタコーヴィチ作品の魅力に取り憑かれ、その後大学院音楽研究科にて彼の作品を含む戦時中のソ連の芸術の研究に没頭していた私にとって、ロマーシュカ・フィルハーモニーの結成は非常に大きな喜びです。このような機会を頂けた事に感謝しつつ、全身全霊をかけて作品と向き合っていきたいと思います。

これから演奏会に向けて、こちらのブログにてショスタコーヴィチ作品の魅力を数回に渡ってお伝えしていきたいと思っています。


【ショスタコーヴィチの魅力は何か】

ショスタコーヴィチといえば、20世紀を代表する作曲家の一人ですが、その創作活動は決して順風満帆なものではありませんでした。

当時のソ連は社会主義リアリズムという、社会主義国においての音楽や美術、演劇などの芸術分野の方針となった考え方が蔓延っていました。

世界の「現実」を具体的に描いて人民を教育し、社会主義革命の発展に寄与することが芸術家の務めとされ、この考え方から逸脱することは、例えどのような立場の芸術家であっても許されることはありませんでした。

交響曲第5番初演に至るエピソードは有名だと思いますが、ショスタコーヴィチはこの社会主義リアリズムによって幾度となく芸術家としての生命を、いや、自分自身の生命をもを失う危機に瀕しました。

いつ「粛清」されるかもわからない恐怖と闘いながらも、自分自身の主張を巧妙な作曲技法によって織り交ぜ、今でも彼の作品に込められたメッセージには多くの説が付きまといます。

ショスタコーヴィチほど、演奏に取り組む人間によって解釈が大きく分かれてしまう作曲家もいないのではないか・・・と思います。

今も解明されない多くの謎に包まれながらも人々を魅了してやまない、そんな彼の交響曲を、彼の人生を辿りながら、メンバー一同取り組んで参ります。


【交響曲第7番《レニングラード》を取り上げる、創立記念演奏会】

「戦争三部作」の1曲目、交響曲第7番。「壮大なる愚策」とも評されるこの交響曲はショスタコーヴィチ作品の中でも特に巨大な編成を要し、また演奏時間も彼の交響曲の中では最長です。

第二次世界大戦、ドイツ軍に包囲され、過酷な戦いを強いられたレニングラードにて作曲され、初演では多くの市民に希望を与えました。

この曲はショスタコーヴィチが故郷レニングラードへの熱い思いによって書かれたのか。ソロモン・ヴォルコフによって出された『証言』によって記された「スターリンによって破壊され、ヒトラーによってとどめを刺されたレニングラードを意味する」ものなのか。はたまたフローラ・リトヴィノワ(ショスタコーヴィチの疎開先の隣人)の証言の通り、「ファシズムのみならずソヴィエトの全体主義を描いた」ものなのか。

その解釈は、聴く人によって様々なものとなるでしょう。是非、演奏会にご来場頂き、自分が抱いた感想を周りと共有してみてはいかがでしょうか。

ショスタコーヴィチの生きた時代とは違い、我々は自由に芸術について語ることのできる時代を生きています。

💐ロマーシュカ・フィルハーモニー💐

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